コーチング期間中に何を得て、何を得ていないのかを自分の言葉で明確にすることで、コーチから総括を受けるよりも、自責で自分の行動を捉えることができます。
客観的に総括することにより、今後の問題点が明らかとなり、以降の行動強化に繋がるのです。
ちなみにエバリュエーションで確認するポイントは、次の通りです。
- ゴール達成できたか
- 達成できた理由、できなかった理由はどのようなものなのか
- コーチングを通して何を実現したのか
- コーチングを通して何を学んだのか
- 自分の考え方に変化はあったのか
- 今後の言動はどのようにするのか
コーチ「Nさんにとって、コーチングに意味があったとすれば、どんな意味でしょう?」
Nさん「私にとっての意味は、リーダーシップが向上したことだと思います」
そう言ってNさんは、コーチングで気付いたことや学んだことを話しました。
- 自分は会社経営を甘く考えていた
- 相手の行動は自分が引き出している
- 視野が狭くなった時は、自分を客観的に見る
- 習慣化した行動を変えるには、意識的に毎日新しい行動を実践することと、他人からフィードバックをもらうこと
- 部下の育成には、答えではなく考えさせる質問をする
- 物事を考える時は、自分の思考を文章にしてみる
- 周囲の人たちを活かすのがリーダーシップだということ
続いてコーチは、アンケートの結果をNさんに伝えました。
社員の多くは、Nさんのリーダーシップが上がったと評価して、ビジョンを描くことで会社のあり方を深く考えるようになったと答えていました。
また、ビジョンがあることで仕事の方向性が明確化し、自分のやる気によい影響となったという社員が過半数を超えていました。
コーチ「この結果をどのようにご覧になりますか?」
Nさん「嬉しいです。多くの社員が指示してくれています」
コーチ「私もそう思います。それでは、このアンケートから何を読み取られますか?」
Nさん「不満のある社員の声を取り込んでいきます。ビジョンの取り組みはまだ途中ですから、やりたいことは山ほどあります」
このようにNさんは、結果を前向きに捉えています。
そこで、コーチングのゴールが達成されたかを確認します。
コーチ「幹部会議での提案は、いくつ上がったのでしょうか?」
Nさん「おととい、ビジョンをアピールする広告案が幹部に提案されました。でも、それを入れてもゴール達成には1つ提案が足りませんでした」
コーチ「そのことについてどのようにお考えですか?」
Nさん「達成は無理でしたが、コーチングの前と後では、社内の雰囲気は大違いですし、新しいアイデアは着実に出てきているので、個人的には満足しています」
コーチ「満足されているのですね。ちなみに点数でいえば、何点をつけますか?」
Nさん「90点はつけることができます。残りの10点は、ゴールを達成できなかったことです」
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