コーチングのテーマに沿った測定尺度を設定すると、現状測定に入っていきます。
ここではまず、Aさんの自己評価としてその場で現状測定を行っています。
重要なのは、いきなり危機意識を受け付けようとしたり、課題となる項目について厳しいフィードバックをしないことです。
コーチングの序盤は、クライアントとの人間関係構築も重要な側面です。
クライアントの強みに目を向け、リソースを発見して、それをアクノレッジしてあげることが先です。
コーチングはあくまでも目的達成させるのが目的です。
そのために、まずは自分の強みに目を向けさせ、目標達成に向けてのエネルギーを高めてもらうことが重要なのです。
コーチ「聞いた意見を元にした判断や、自己主張、判断結果を伝えることについては、自己評価が低いですね。これはなぜですか?」
Aさん「なぜなんでしょうね……」
コーチ「いつからですか?」
Aさん「小学校の学級委員の時以来かもしれません」
コーチ「学級委員の何がきっかけで?」
Aさん「確かクラスで動物を飼育していたんですよ。当時学級委員だった私は、飼育係の分担を巡ってルールを決めないといけなかったんです。その時、自分でこれだと思った意見を通して、皆と揉めてしまったんです。同級生からいっぱい文句を言われたのが境目かもしれません。以来、「これでいくぞ」とか、ブレのない判断をしたり、自分の意見を上手く主張したりができなくなった気がします」
コーチ「それ以降、揉めてしまったことは他にありますか?」
Aさん「特にないですね」
コーチ「今後は、自己主張についてはどうしたいですか?」
Aさん「ビジネスに必要とされる判断や自己主張は、いい大人なのでやっていきたいです。こうやって話してみると、なんだかそんなことに囚われていたのかという気もします」
コーチ「子どもの頃に思い込んだことは、誰しも囚われてしまうことがあるものですよ。ただ、その囚われた考え方や習慣を続けるかどうかは皆、自分で決めることができますよ」
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