初期の信頼関係が構築されると、コーチングを受けるきっかけや背景について聞いていきます。
事前情報だけでは「真の目的」が分かるとは限らないため、なぜ今、コーチングを受けたいと思ったかについて細かく聞き出します。
このヒアリングをしっかり行うことで、クライアントが持ち込んだテーマとは違う真のテーマが浮かび上がってくることもあります。
今回のコーチングの目的は、事前情報では「管理職としてのキャリアパスを歩んでいくためのコミュニケーション変革」であり、「上司や部下とのコミュニケーションを良好なものにする」のが具体的なテーマでした。
しかし、実際に話を聞いてみると、専門分野を活かせる設計部門にマネージャーとして戻って活躍したいというのが最終的な目的であることが分かりました。
理想の状態を描く
コーチングを受けるきっかけを聞いたところで、コーチはコーチンを通して実現したいことをAさんに聞いていきます。
ゴール設定、理想の姿の明確化です。設計部門にマネージャーとして戻りたいAさん。
その職は何かを実現するためのポジションに過ぎません。
そのポジションを通じて実現したい何かが、大切な目的地であるはずです。
そこをクリアにしてもらうべく、コーチは聞きました。
コーチ「設計に戻って実現したいことは何ですか?」
Aさん「世界中から愛される車作りに、もう一度携わりたいのです」
コーチ「特に設計として車作りに携わりたいと思うのはなぜですか?」
Aさん「ずっと設計一筋でやってきて、思い入れがあるからです」
コーチ「どんな思い入れですか?」
Aさん「言葉を超えて伝わるものがデザインにはあるんです。それを設計の仕事を通じて世界中のユーザーに伝えていきたいんです」
コーチ「ユーザーに一番伝えたいものは何ですか?」
Aさん「プライドですね。乗っていてプライドを感じる車作りをしたいです」
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