Theコーチング

普段何気なく使っている手法や考え方を改めて言葉に落とす、暗黙の了解を形式知化するという作業に取り組んでいます

コーチングの実践

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最終的なゴールは、工場の生産効率を上げることなので、技術部と製造部の課題でも、特に生産効率に影響する課題の解決を最優先としました。

(1)管理職の業務の無駄を可視化し、業務の合理化を図る

まず、技術部と製造部の管理職全員に、1週間の業務内容を全て書き出してもらいました。

そしてコーチは、グループコーチングで本当に必要な業務とは何か、どのような業務なら合理化できるのかのアイデアを引き出し、行動計画を作成してもらったのです。

あとはコーチが1人ひとりに関わり、業務内容見直しの進捗を継続的に確認しました。

この取り組みに技術部長は乗り気で、熱心に業務見直しの案を出しました。

一方、製造部長は1週間の業務を見直すのも、更に忙しくなるのではないかと懸念していました。

ところが、部下の管理職数人が技術部長を同じく、無駄をなくすチャンスと考え、多くのアイデアを出したことから、前向きに取り組みようになりました。

ちなみに、2つの部署の管理職全員が、同じタイミングで本格的に業務内容を見直すのは、この工場で初めてのことだったそうです。

最初は賛否両論だったこの試みも、実際に廃止・統合される業務が出てくるにつれ熱を帯び、管理職社員が若手社員の技術指導や相談に乗る時間が増えました。

(2)技術部長にリーダーシップを発揮させる

工場全体に「望ましい行動」を習慣化させるために、まずモデルとして生産効率を上げるキーマンでありながら、リーダーシップに問題がある技術部長をコーチングすることにしました。

「承認」で行動が習慣化できることを理解すれば、部下にも同じように「承認」すると考えたからです。

コーチは技術部長から「望ましいと思われるリーダー像」を聞き出し、そのとおりの言動を実践しているかを、現場でフィードバックしました。

具体的な、曖昧な指示の出し方や部下の話を聞かない姿勢、決断しない態度など、望ましいリーダー像からはおよそかけ離れた現実のギャップが出てきました。

技術部長は「自分の理想としているリーダー像が基準になるので、コーチからの視点にも感情的にならないと思います。ただ、理想と現実には違いがありますから、自分の言動は簡単には変わりませんよ」とコメントしたそうです。

コーチはコーチングを通じて、なぜ理想と現実に違いが出るのかを考えてもらい、よいアイデアは実践してもらいました。

技術部長の行動に改善が見られた時は「承認」を積極的に行いました。

3ヶ月が過ぎる頃には、技術部長も自分の理想のリーダー像に1歩ずつ近づいている実感を持つことができ、何より部下から意見や前向きなアイデアが出るようになったので、言動に自信が見られるようになりました。

(3)技術部と製造部で情報が共有できるようになる

技術部長と製造部長にコーチを交えて話し合いをしてもらいました。

そして、お互いの認識が対立している論点を洗い出し、数回にわたる勉強会で社員に議論してもらうことにしたのです。

製造部長「今までも話し合いをしてきたので、また同じことの繰り返しと思っていました」

コーチはその勉強会で、「その遅延をもたらす本当の理由は何ですか?」「お互いに協力できることは何ですか?」のように、相手の立場や考え方を踏まえた質問を投げかけることを社員に求めました。

製造部長「今までのようにケンカ別れかなとも思ったのですが、相手を責める発言があるとその都度、相手の事情を考えての質問に言い換えるようコーチが指導したので、徐々にお互いの立場を踏まえた発言になりました」

回を重ねるうちに、お互いの業務への理解が進み、対立していたことも妥協点を見出すスピードが上がり、時間のロスが少なくなったのです。


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