プロのコーチが備えるべき「心」
テクニックだけのコーチングでは、クライアントの目標達成支援において十分とはいえません。
スポーツや武道の世界で、選手や達人が兼ね備えるべきものとして、よく「心技体」と表現されます。
コーチングにおいても、コーチングテクニックの「技」、クライアントの対話を繰り広げる「体」は必要ですが、それ以上にコーチが備えるべき「心」、マインドが重要です。
双方向、継続性、個別対応という3つのマインド
コーチングの3原則とは、コーチが常に意識している「クライアントとの関わり方」における、双方向、継続性、個別対応というマインドです。
とあるメーカーで営業マネージャーを務めるD氏は、チーム内のコミュニケーションに悩んでいました。
部下からの声は「頭ごなしに怒られる」「意見を否定されてばかり」などが多く、確かにその通りでした。
なぜD氏がそのような関わり方をしているかというと、「周囲からの信頼も篤く、自分も尊敬しているE部長の真似をしている」からでした。
実際、E部長は厳しい指導をしていましたが、指摘後に必ずフォローを入れる、時には飲みに連れていってくれて部下の話をじっくり聞くなど、あくまで部下の成長を思っての指導でした。D氏はそのような意図には全く気付かず、表面的なテクニックのみを真似していたのです。
D氏のようなケースは意外と多いのかもしれません。
コーチング研修は多くの企業で導入されていますが、学んだスキルだけを部下に使っても効果が出ず、「コーチングは使えない」と見切ってしまう人も残念ながらいます。
ここで解説する3原則は、どんなクライアントに対しても、コーチが普遍的に満たすべきスタンスといえます。
テクニックなしではコーチングは成立しませんが、3原則はコーチがテクニック以上に優先し、常に立ち返るべき原点なのです。
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