Theコーチング

普段何気なく使っている手法や考え方を改めて言葉に落とす、暗黙の了解を形式知化するという作業に取り組んでいます

全ての責任は自分に引き寄せて考える「自責」

全ての責任は自分に引き寄せて考える「自責」

全ての責任は自分に引き寄せて考える「自責」

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問題や課題の責任の所在や他人や環境ではなく、全て自分にあると考えている状態が「自責」です。

「「他責」という落とし穴」のM氏が、売れない原因が自分の責任と考えていたならば、ギャップの原因分析は「自分のマネージャーとしての働きかけが少ないせいで、部下のモチベーションが足りない」「自分に商品の魅力を紹介するプレゼン能力が不足しているから」「上司のフォローを期待できるような信頼関係を自分から作っていなかった」 という風になっていたでしょう。

このように、クライアントが目の前の課題を自責で捉えることができれば、課題を乗り越えるための行動計画は全て自分で作り出すことが可能になります。

描いた計画を実行に移せば、自分自身で目標と現状との間のギャップを埋めることができ、その分だけ成果が上がるようになります。

自責と他責についてコーチが扱う時、間違えてはいけないことは「クライアントの抱える悩みの責任が、実際には誰にあるのかは取り立てて重要ではない」ということです。

例え実際には99%相手のせいであったとしても、その課題に自分自身が働きかけると決めたなら、「100%自分の責任だとしたら何が原因だろうか?」と、あえて自責の状態になることを選び取ることが重要です。

「自責」の状態を選ばせる方法

自責の状態を選ぶクライアントは、当然成果を手にするチャンスが増えますし、自己成長の機会も手に入れます。

ですから、ギャップの原因分析を行っている最中、コーチはクライアントが他責か自責かどちらの状態にいるのかを常に観察し、他責の状態であれば自責を選べるように促します。

自責の状態を選ばせるためにコーチが取る戦略は、フィードバックと質問、そしてその前提となる共感です。

【質問例】

  • 「今の発言は他責に感じます。あなたはどう思いますか?」
  • 「あなたは先程予定通りに進んでいない理由を「○○が」と、他人を主語に説明しています。「私が」と、自分を主語にして説明し直していただけますか?」
  • 「今の発言は、自分のチームで起こった出来事なのに、まるで傍観者が話しているようでした。あなたは当事者の1人ではないのですか?」
  • 「ここまでのあなたの話は、全て「僕は悪くない。正しい」と大声で主張しているようでした。あなたが私に一番伝えたいことは何でしょうか?」
  • 「もし、仮にこの事態を引き起こしている原因があなたにあるとしたら、それは何ですか?」
  • 「あなたは今、「自分は正しい」「自分は被害者だ」と証明することと、目標を達成することのどちらを優先していますか?」
  • 「もしこのまま誰も動いてくれない、誰も解決してくれない状態が続くとしても、あなたはこのまま何もせずに指をくわえて見ているのでしょうか?」
  • 「あなたは今、自責ですか? 他責ですか?」
  • 「今の状態でも、あなたにできることがあるとしたら、それは何ですか?」

以上の質問やフィードバックを、ただ闇雲に投げかけさえすれば、自責の状態を選ぶわけではありません。

クライアントも頭では自責を選んだ方がよいと分かっていても、時には他責な発言に対して共感を示して欲しいと思っていることがあります。

そんな気持ちを受け止めないコーチが一方通行な質問やフィードバックをしても、クライアントに防衛本能が働いて自責の状態になるのは難しいでしょう。

そのためには「自分はコーチに理解されている」と感じてもらえるまで徹底的に話を聞き、共感することも必要です。

クライアントに自責を選んでもらうのはその後でも遅くありません。

コーチングプロセスは非常にシンプルですが、人の思考を整理・促進し、行動まで繋げることができる非常に強力なものです。

コーチは、このプロセスを1回ごとのセッションでも意識しています。

職場において10分ほどの時間で部下をショートコーチングする場面や、会議でのファシリテーションなどにも応用可能ですので、日常の場面で活用してみて下さい。


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