Theコーチング

普段何気なく使っている手法や考え方を改めて言葉に落とす、暗黙の了解を形式知化するという作業に取り組んでいます

効果の測定フェーズ

効果の測定フェーズ

効果の測定フェーズ

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ここでは、参加者が周囲に与えた影響を即時に「見える」ようにすることが重要です。

参加者が周囲に与えた影響を感じ取れるまでに、ある程度時間がかかるからです。

例えば、ある参加者が「部下の話を最後まで聞く」ように行動を変えたとします。

すると、部下の認識は「うちの上司は話を聞いてくれなかったが、最近は聞いてくれるようになった」というように変化します。

しかし、この時点では上司は部下の「認識の変化」を知りません。

その後、「部下からの相談が増える」「問題が大きくなる前に報告が上がってくる」といった「行動の変化」が見られるようになって初めて、自分がしてきたことの効果が実感できるのです。

この「認識の変化」と「行動の変化」の間の時間差により、「行動を変えても仕方ない」と判断して新しい行動をやめてしまうことがあります。

それを防ぐために、周囲の「認識の変化」を可視化する必要があるのです。

組織学習における効果測定の実際

Z社の若手離職率は、コーチングによってどう変化したのでしょう。

ここでは「カークパトリック(Donaid L.Kirkpatrick)モデル」というフレームワークに沿って事例の効果を検証したいと思います。

カークパトリックモデルとは、「レベル1(Reaction)研修参加者の満足度は高いか」「レベル2(Learning)研修内容の習得度は高いか」「レベル3(Behavior)研修参加者の行動変容はできているか」「レベル4(Results)業績(離職率など)へのインパクトはあるか」という4つのレベルで効果を測定しようというものです。

レベル1

研修に参加した60人の営業所長に実施したアンケートの結果、平均満足度は5点満点中4.6点でした。3.5点が合格水準だったため、4.6点は1つの成果といえます。

レベル2

集合トレーニングの2週間後に、eラーニングを使ってコーチングに関するチェックテストを行いました。

結果は正解率83%で、マネージャー層にコーチングという共通言語が浸透したことが分かりました。

レベル3

研修参加者だけでは判断が難しいため、事後アセスメント結果を集計・分析することで検証を行いました。

元々高かった「提案・要望」はほぼ同じでしたが、それ以外の「引き出す」ための全ての項目において、部下の満足度が上昇していました。

更に、行動変容に関するフリーコメント欄には、変容を裏付けるコメントが寄せられました。

  • 「話しかけるとパソコンから手を離して聞いてくれるようになりました。話しかけやすく、相談しやすくなって助かっています」
  • 「所長から「お前はどうしたい?」と質問されることが増えたので、最近では自分で考えるクセがついたように思います」
  • 「小さな仕事でも完了した時、「ご苦労さん」と所長から声をかけられると、仕事の疲れも吹き飛びます。これからも継続していただきたいです」
  • 「3ヶ月前と比べて、所内の活気が高まったように感じます。目標に向かって一緒に頑張っている実感があります」
  • 「最近の所長は、ベテランと若手とで意識的に指導の仕方を変えているように思えます。それによって若手のモチベーションが上がっているように感じています」

レベル4

コーチング導入後に初めて行われた離職率データでは、11%から4%に減少していました。

これにより、営業所長にコーチングスキルを備えさせることで、若手の離職率を低下させるという目的は達成されたのです。

その後、Z社では新任の営業所長を対象にコーチングプログラムを継続的に実施しているそうです。


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