習得した知識・スキルを定着させるためには、長期的なフォローが必要です。
行動の実践フェーズでは、「長期的であること」「継続的であること」「集中的であること」の3つに気を付けてフォープログラムを実施することが重要です。
その他、サポート期間におけるコーチの関与度の調整にも配慮します。
最初は週に1回、その後隔週、月に1回にするなど、コーチが関わる頻度を徐々に減らすことで参加者の自立を促していきます。
知識・スキルの定着フェーズでは、多くの企業が電話会議システムを採用しています。
移動によるコストがかからないという利点のほか、参加者が自分の職場環境に身を置きながら参加できるため、より実情に適した課題に取り組むことができます。
さらに会議終了直後から「実践」できるのも、行動を定着化させる上で大きな効果をもたらします。
Z社での電話会議システムによる継続サポートでは、「若手社員の組織への帰属意識を高めるために、どんなコーチングの取り組みが有効か?」というテーマでディスカッションが行われました。
参加者「とにかく挨拶から始めるべきだと思う。パソコンが普及してから、営業所内での挨拶が減った気がする」
コーチ「挨拶の中でも、帰属意識がぐっと高まる挨拶と普通の挨拶があるとしたら、どんな違いがありますか?」
参加者「確かに、一口で挨拶といっても、全体に向かって大声でするものから、1人ひとりの肩を叩いてするものまで色々ですよね」
コーチ「それでは、次回までの宿題として、それぞれ戦略的な挨拶を実践してきて下さい。また、若手の帰属意識が高まったかどうかを確認する意味で、彼らの表情などの反応もしっかり観察してきて下さい。次回のセッションでは、どんなことを実践したか、回りの反応はどうだったかについてもお聞きします」
コーチは、次の3点を意識していました。
- 実際の職場である「営業所内」で起きていることを扱うことで、コーチングスキルを「分かる」状態から「できる」状態にする
- 参加者の発言を元に、「共通の問い(宿題)」を投げかけ、行動実践に対するモチベーションを高める
- 行動を「やりっぱなし」にしないよう、「宿題」の行動を振り返る時間を持ち、行動の質を高める
2回目以降は、「若手の離職率の低下」という共通の目的に向けて、「口数の少ないエンジニアから意見を引き出すにはどうすればいいか」「ベテランの部下に若手の育成を任せるよい方法は?」「入社動機を聞くことで、部下のエンジンにもう一度火をつける」などの取り組みが行われました。
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