部下の目標設定をサポートし、一緒にキャリアビジョンを描いているマネージャーの皆さんは、「人はそんな簡単に自分のやりたいことを発見できない」と感じていることでしょう。
なぜ目標設定は難しいのでしょうか?
目標とは未来について話すことです。人は元来、空白の未来について話したり考えたりするのが苦手です。
一方、何かと比較しながら考えることは得意としています。
そこで、空白の未来について考える時は、過去の体験を比較対象にするという方法が有効な場合があります。
【手がかりのための質問例】
- 「これまでどんな仕事をやってきましたか?」
- 「何の仕事をやっている時に楽しさや充実感を感じましたか?」
- 「仕事において譲ることのできないこだわりは何ですか?」
- 「これまで何を大事に生きてきましたか?」
- 「座右の銘や好きな言葉、大切にしてきた言葉は何ですか?」
- 「寝食を忘れて没頭してきた趣味は何ですか?」
現在は、過去の選択の積み重ねの末に辿り着いた地点です。
数々の選択の中には、その人が潜在的に抱いている願望や希望、価値観が必ず表れています。
過去の選択を丹念に聞き出していく過程で、話している本人が自分の内側にある欲求に気付くことはよくあることです。
管理職という職責で部下に接していると、とかく相手の知識やスキルなどの能力に目を向けがちで、面談の会話もそこに集中してしまう傾向があります。
しかし、未来に向けてのエネルギーを高め、能力を開花させようと考えた時、知識やスキルとは全く関係ないように思える過去の体験にアクセスすることが極めて重要なことがあるのです。
過去の延長線上の未来があることに気付き、その先に自分が思い描いた未来がわずかでも見えた時、本当に達成したい目標が決まるまであと少しです。
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